用語集 微生物


病原微生物
自然界には多くの種類の微生物がいます。その中でも人に対して病気(感染症)の原因となる微生物の事を病原微生物(病原性微生物)と言います。しかし、病原微生物が体内に入っても必ずしも発症するとは限りません。無理に薬などで排除しようとすると、正常な細胞や臓器を壊してしまう事もあります。種類によっては、体内に入った病原微生物と上手く付き合う事も必要と言われます。

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常在菌
人の身体にとって生まれながらにして存在する微生物や、感染によって体内に住み着いてしまう微生物の事を言います。また、生物界においては、なくてはならない存在でもあります。
人の身体では、通常、防御機能(免疫機能)が働いて常在菌が悪さをする事はありません。しかし、防御機能(免疫機能)が低下するような事(ストレスや不摂生で体調を崩すような事)があると暴れだしますので要注意です。

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カビ(黴)
カビは、キノコを意味する言葉に由来します。真菌に属する微生物で、もともと細菌の兄弟分でなんにでも寄生して生きられます。カビ類は細長い細胞が縦に連結して糸状になるのが特徴で「糸状菌」と言われます。種類も多く、良いのからタチの悪いのまでさまざまです。例えば生活に役立つ酵母(お酒や味噌のコウジカビ)やペニシリンの素。タチの悪いものの代表は、ミズムシで知られる皮膚糸状菌やカンジダ感染症の原因菌。極めつけには猛毒を作るカビなどがあります。

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淋病
淋菌の感染による病気です。女性では初期の尿道炎や子宮頸管炎を起こしますが、軽症のため気付かれないで過ぎてしまう事が多い。しかしその後、膀胱炎や膣炎、子宮内膜炎・卵管炎・卵巣炎などに進展し、女性不妊症の原因になります。男性は症状が重く、尿道の痒み感や熱っぽさに始まりやがて分泌物が出始めます。放置すると、前立腺炎や副睾丸炎などに進展し、男性不妊症の原因になります。

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クラミジア感染症(性器クラミジア感染症)
クラミジアの感染による病気です。クラミジアは4種類に分類されていて、そのうち3種類が人に感染します。その中でも性感染症で代表的なのは、性器感染を起こすクラミジア トラコマチスという種類です。クラミジアで汚れた手などで目に触れると、目に感染しトラコーマという病気になります。男女共に分泌物があり、放置すると男性では睾丸炎など、女性では卵管炎などに進展し、男女とも不妊症の原因となります。

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トリコモナス感染症
トリコモナス原虫の感染による病気です。ヒトに寄生するトリコモナスは、膣トリコモナス、口腔トリコモナス、腸トリコモナスなど3種類ほど知られていますが、生殖器などに感染し、性感染症などを起こすのは、膣トリコモナスだけです。女性は膣炎を起こし、痒み感が強く、泡沫状で黄色や膿状で悪臭の強いおり物が多く出ます。男性は無症状のことが多い。

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カンジダ感染症
カンジダの感染による病気です。カンジダはカビの一種で、カンジダ属には100種類以上あります。その中でも身体に悪さをするものとして6種類ぐらいが知られています。性感染症などで頻度の高いのは、その中の一つでクラミジア・アルビカンスという種類です。いつどこで感染したか気付かない事が多く、常在箇所も皮膚や口腔、消化管、膣など、ほぼ全身に住み着いています。特に女性の膣に多く、風邪を引いたり、ストレスや寝不足が続くとカンジダが増殖してきます。おり物に特徴があり、「チーズ状」「酒かす状」「黄緑色状」が増えてくると、痛痒いような、しみるような痒みが出てきます。

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梅毒(トレポネーマ)
代表的性病で、コロンブスがアメリカから持ち帰り、はじめにスペインで流行し、ヨーロッパに広がったと言われています。日本語の「梅毒」は、病気の発疹がヤマモモ(楊梅)の果実に似ているところから楊梅瘡(ようばいそう)と言われていたのが「梅毒」と変ったものです。
梅酒の「ウメ」とは関係ありません。
梅毒トレパノーマの感染による病気です。梅毒には、母親が感染していて子宮内で胎児感染してしまう先天性のものと、性行為などで感染する後天性のものがあります。潜伏期間は約3週間で通常は慢性的に経過します。梅毒の場合、症状発症の経過を第1期〜第4期に分けられています。

「第1期梅毒」
感染して約3週間は症状が出ません。(第1期潜伏期)その後、性器に直径1cm以内の硬いしこりやブツブツが出来、股間のリンパ節が硬く腫れてきます。痛みはありません。
これから深く静かに?潜行しだし、約3ヶ月で第2期潜伏期に入り、この期間に病原体(梅毒トレポネーマ)が全身に広がります。


「第2期梅毒」
感染から約3ヶ月ぐらいで全身に症状が現れます。小指の先ほどの斑点が全身に出てきます。(梅毒性バラ疹)性器やわきの下に悪臭を放つブツブツ、口の中に出来る粘膜斑点などが出たり消えたりします。ひどいときには不規則な脱毛があります。これらは放っておいても自然に消え、第3期潜伏期に入ります。 この時期が一番感染力が強い!


「第3期梅毒」
感染から約3年で全身に硬いコブのような結節性梅毒ゴム腫が現れ、放っておいても治りますが、治った後に瘢痕が出来るため外見が醜くなります。これが繰り返されます。
この頃には感染力が弱くなり、感染源となる可能性は少なくなります。これから更に潜伏期間が長く、第4期潜伏期に入ります。


「第4期梅毒」
感染から10年以上経過すると、最悪な状態に入り、昔言われた「脳梅」で、中枢神経が冒され日常生活が出来なくなり最後は死に至ります。最近ここまで病気が進行する事は稀だと言われています。

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ウイルス
微生物の中で一番小さな生き物で、電子顕微鏡でやっと見ることが出来ます。多くの種類がありますが全てが病気を起こすとは限りません。また、ウイルスは生きた細胞内でしか増殖できず、DNAやRNAなどの核酸を持っています。その上、ウイルス自身が感染を広げる為の装置まで持っているという厄介な微生物です。

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HIV感染症
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染による病気です。HIVは、感染後に長期の潜伏期間に入り、最終的にエイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)の発症に至ります。その間HIVは、免疫機能の中枢に住み込み、徐々に全身の免疫力を低下させていきます。エイズ発症時には、正常であれば身体に役立っている微生物が、抵抗力(防御機能)を失った生体に対し病原性を発揮するようになります。これを「日和見感染」と言います。現在の医療では、早期発見によりエイズ発症を遅らせる方法が見つかりつつあります。

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性器ヘルペス感染症
単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染による病気です。ヘルペスウイルスは数種類知られていますが、その内の、単純ヘルペスウイルス1型と2型が性器ヘルペスと言われています。1型は口唇、目、顔面などに多く、2型は生殖器に多い。HSVに一度感染すると、ウイルスは神経のターミナルである神経節に潜伏してしまい、排除できません。生殖器に痒みや痛み、米粒大の水泡が出来ますが治療して治ったと思っても、過度のストレスや、疲労などで免疫力が低下すると、また現れて症状をぶり返します。

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肝炎ウイルス(B型・C型)感染症
肝炎ウイルスの感染による病気です。肝炎ウイルスには、A型、B型、C型、D型、E型、G型などが知られています。性感染症で注目を集めているのは、血液を介して感染するB型とC型です。いずれも感染初期には、悪心や吐気、食欲不振などの消化器症状があり、全身のだるさや、頭痛、関節痛など風邪に似た症状を伴います。B型・C型肝炎ウイルスによる感染は、慢性肝炎から肝硬変や肝癌に進展する事も多く、ワクチンやインターフェロンによる予防や、病気の進展を抑える方法が薦められています。

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尖圭(せんけい)コンジローマ感染症
ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス:HPV)の感染による病気です。性器周辺に出来るHP Vによる疣贅(ゆうぜい:コブ)を言います。コブと言っても丸いコブではなく、「ニワトリのトサカ状」「花キャベツ状」「アワビのヒダ状」など形はまちまちです。コブ自体は良性の腫瘍で、自然に治癒する事も多い。
疣贅には種類があり、その一つが「尖圭コンジローマ」です。                           イボそのものには痛みはありませんが、軟化して悪臭を放つ事があります。しかし、癌化する場合もあり、早期治療が必要です。
疣贅の疣はコブ、贅は贅肉(ぜいにく)などに使われる言葉で無駄なものを指します。イボは「無用のコブ」です。

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